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韓国「おにぎりブーム」仕掛け人は本多さん

本多利範(ほんだ・としのり)さん。最初、韓国では奇人扱い。「でも、おいしいものは万国共通」。52歳。

 コンビニエンスストアの棚の片隅に追いやられていた「黒い三角」を一躍、人気者にした。

 韓国でセブンイレブンを展開するロッテグループのコリア・セブン専務。98年5月、食品本部長をしていたセブン−イレブン・ジャパンから、経営危機にあった同社に招かれた。
 
 韓国で手軽な食事の定番といえば韓国式ののり巻き「キムパプ」。当時、おにぎりの売り上げは1店あたり1日7個程度だった。
 しかし、工夫次第で客を引きつける目玉商品になると考えた。
 具が昆布だと売れない。そこで目を付けたのがツナ缶だ。韓国ではチゲ(なべ物)に入れて食べる。
 ただ、ツナだけなら日本のおにぎり。キムチと「お見合い」させた。

 「味の日韓友好です。試食した従業員もツナだけでは驚くが、キムチで安心した」。2000年7月に売り出すとブームになり、今は1日140個売れる。他のコンビニチェーンも追随した。
 ご飯やノリの工場も造った。韓国で1企業専用は珍しい。大量生産によるコスト削減で、おにぎりは5月から200ウォン値下げして700ウォン(約66円)にした。

 「消費者のニーズにこたえることは手間がかかる。その点が韓国ではおざなりだった。反対に日本は、過剰包装で分かるように消費者を気にしすぎる。間を取ればちょうどいいんじゃないか」

 コリア・セブンは今年1〜3月期に初めて黒字に転換。店舗は年内に200店増やして1000店にする。3年後の株式上場が目標だ。

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