韓国社会では、どんな物が自分を「他人と違って見せる」贅沢品なのだろうか。
それは、「外国製の高級服」、「高級時計」、「高級車」だ。
ソウル大学社会発展研究所のチェ・ハンソプ研究員が、19才以上の成人男女227人に尋ねた結果、「他人と違って見せる」ために使う贅沢品として、最も多く利用しているのが、外国製の高級ブランド服だった。また、自らを他人と区別するのに一番ほしい物としては、高級車が挙げられた。 チェ氏は「高級車を乗り回すことは、一種のパフォーマンス・演技であり、この場合、『行くために』運転するのではなく、『見られるために』運転する」と説明している。
贅沢を通じ、「他人と違って見せること」、または他人と「区別すること」で、最も目立つ事例として、チェ氏はゴルフとジャズをあげる。
「ゴルフという『スポーツ』をするのではなく、『ゴルフをする』ということに意味があるのが韓国だ」と指摘するチェ氏は、「ゴルフ場会員券の値段も高く、コースの数も少ないため、予約が難しいというのが(贅沢の)要素となる」のだと言う。
ゴルフ人気の原因はどこにあるかという質問に対し、アンケートの回答者227人のうち大多数(66%)の150人が、「金持ちになったような気分になるから」と答えた。「楽しめる運動だから」と答えたのは、わずか20人であった。
韓国で「贅沢」として受け入れられるもののうち、本来の性格と比べ最も逆説的なのがジャズだ。もともと黒人奴隷の音楽で、抵抗と憤怒の叫びであったジャズが、韓国社会では、高級上流層の識別に使われる。わけは簡単で、以前TVドラマで洗練された男性主人公が素晴らしい音楽を演奏したのだが、それがジャズであったからだ。
ジャズについてどんなイメージを思い浮かべますかという質問に対し、回答者のうち112人が「優雅さ」と答えた。「反抗」を思い浮かべた人は、たった6人に過ぎなかった。
チェ・ハンソル研究員は、2000年12月23日に全南大で開かれる社会学大会で、こうした内容を盛り込んだ「贅沢を通じた区別」を発表する。
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