韓国国内で1年間に約15兆ウォン分の食べ物が、残飯・生ごみとして捨てられていることが分かった。生活向上の歪か、または飽食国民性なのか、ともあれ国民1人あたり31万4000ウォン分、1世帯(3.6人基準)で113万3000ウォン分を捨てている勘定だ。
環境部は1月18日、「食品ごみとして捨てられる食糧資源の経済的価値の算定に関する研究」を通じてこのように発表した。
この報告書によると、捨てられる残飯を金に換算すれば、年間14兆7500億ウォン(1999年のゴミ発生量を基準にしたもの)。家庭から6兆2800億ウォン、飲食店や集団給食調理場から8兆4700億ウォンが捨てられている。 量で計ると1年間で483万トンを超える。これを10トントラックに積んでソウル−釜山(プサン)間に1列に並べるとしたら、2往復しても余る。 これとともに、残飯生ゴミを収集、運搬、処理する費用が年間4000億ウォン以上に上るものと見られるので、残飯生ゴミによる社会経済的費用は15兆ウォンを上回る。
これは、自動車の1年間輸出額とほぼ同じ金額であり、ソウル・ワールドカップ競技場を70か所建てられる規模だ。今年の政府予算(112兆)の13%にあたる途方もない金が、誤った食文化ゆえに浪費されている。
また、生ごみは、穀物類が年間174万トンと最も多く捨てられており、次いで野菜類(70万トン)、砂糖などの糖類(68.4万トン)、肉類(56.2万トン)、魚介類(50.4万トン)の順。
環境部は韓国の食糧自給率(30.22%)と欠食児童数(16万人)などに鑑み、今年の生ごみ発生率を20%減らすことを決め、減量モデルの開発や生活実践の守則などを盛り込んだ総合対策を推進することにした。
実際、残飯ゴミの大半は飼料や堆肥などにリサイクルできず、埋立地に送られ土地の中に埋められている。ここから漏れ出る水は汚染濃度も高く、さらに処理が難しい上に費用も多くかかる。
ソウル市立大の李東勳環境工学教授は「市民の自発的な協調も重要だが、それとともに堆肥化、飼料化の拡大、安全な焼却、埋めたて技術の開発などが実現されてこそ、残飯ゴミの問題を根本的に改善できる」と指摘した。
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