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心のやすらぎを求めて、脚光浴びる精神修練

 韓では最近からだと心のやすらぎを求め心身の鍛練励む人々増えてきています。気孔、丹学、座禅、ヨガのような伝統的な方法による精神修練から、ダイエット、レジャー、生活スポーツなど、時代のニーズに合わせた新しい健康法が脚光を浴びているのです。

 1967年
丹田呼吸を皮切りに次々に登場した心身修養が、90年代後半、外貨危機により極度の混乱に陥った韓国人に、あらたな心のよりどころとして人気を呼び、会社員や主婦のためのカルチャ講座や大の講義に取り入れられるようになりました。さまざまな団体で講義をしているハ・ジェヒ教授は、「物質文明の発達とは逆に、むしろ自然に近いもの、精神的なものが求められるようになってきた」として、「心身が健康でなければ社会で役割を果たすことができないという認識が広がってきていることから、韓国人が、このような修練道場に関心をもつのは当然のこと」だと話しています。

 “韓国は走っている”といわれるほど厳しい競争社会のなかで、韓国人の多くは不安と背中合わせの生活
をしています。過度な業務やコンピュータを使った作業は、精神的な疲れはもとより、肩こりや頭痛、喉の痛みなど、病気に直結する原因となっています。生活のなかでの修行を求める人々が増えているのにはこうしたことが背景となっていますが、現代人のこのような生活のなかでの修行は、今に始まったものではありません。

 新羅時代には山河を巡りながら心身をきたえ浩然のを養ってきました。心地よい風、山 の間で見えかくれする雲、こうした山河を巡りながら、自然の気を受け、天地の教えに耳を傾けました。7世紀、新羅が高句麗と百済を統一にしたのも、新羅人のこのような心身の鍛練が礎となっていました。その後も気は韓国人の生活のなかに溶け込んでいます。

 「活「元」という言葉で生命力があふれる状態を表現し、気がそがれる状態を「絶」などという風に言い表しています。また、感情をあらわす「気分」という言葉も、気がどう配分されるかによって感情が違ってくるという意味です。このように「気」のつく言葉が多いのは韓国人の生活の端々に気の概念が生きているからだといえます。

 禅
統的な修行法である武道統武芸テッキョンなどは武術スポーツとして注目されており、手足をぐるぐると動かしながら踊るようにして瞑想や呼吸などをおぼえる丹学操や、軽い運動と瞑想の果を同時に得ることができるヨガはストレス克服のための健康法として愛好者が急激にえつつあります。このような修練は、健康を得ることだけが利点なのではありません。忙しさにかまけ休む間もなかった毎日を顧みるゆとりも出てきます。

 むかしから事は心構え次第」だとよくいわれています。しかし高度成長を遂げるかたわら、私たちの心はどれだけ傷つけられないがしろにされてきたことでしょう。どういう状況におかれていようと、心の舵を取るのは自分自身。自らの人生の舵取りのために、私たちは、なくしつつある自分を取り戻すべく、努力しているのではないでしょうか。

(2002・3・30)
東アジア15億人市場のゲートウェイ 韓国は日本の有力な販売先
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