「日本のビール消費量は、毎年少しずつ減っています。その反面、日本に次いでアジアで2番目の規模を持つ韓国は、年8%以上の成長を続ける、魅力的な市場です」。最近、サッポロビールの最高経営者(CEO)としては初めて、岩間辰志社長が訪韓した。
同氏は「高級ビールを求める韓国人がさらに増加しており、プレミアム・ビール市場に強いサッポロにとってはチャンスだ」とし「韓国の販売業者であるティムコ酒販と共同で流通経路の多角化などを図り、数年内に外国産ビールとして市場シェア1位を達成する」と意欲を見せた。
岩間社長の自信には理由がある。2000年3月からティムコ酒販を通じて韓国消費者の前にお目見えしたサッポロビールは、昨年で15万箱(1箱は350ミリリットル入りビン24本)を販売し、前年より売上が5倍も伸びたためだ。
同氏は「直接企業を回ってみると、企業別に別途の販売帯を設けてさまざまイベントを展開していた」とし「マーケティング技術は、韓国がより進んでいるようだ」と語った。
岩間社長が韓国市場に重きを置くのは、サッポロビール本社の戦略とも関係がある。サッポロビールは1876年、日本最初のビール会社として設立され、126年の歴史を誇ってきたが、90年代以降の売上は下降線をたどる一方だった。
だが99年の岩間社長就任により、広告などマーケティングを活発に展開し、昨年は5年ぶりにマイナス成長をストップさせ、上昇傾向に入っている。ちょうどこのとき、韓国市場でも飛躍的な成長を果たした。
同社長は「ちょうど日本の本社のムードが高まっている点と連係し、韓国でのマーケティングを強化している」とし「韓国での今年の売上は昨年より40%ほど上がると見ているが、これは難なく達成できるだろう」と語っている。(2002.05.06)
|