ウォンがドルに対して通貨危機以降の高値となっていることから、しばらく治まっていた海外旅行と外国製ブランド品の過消費が、再び頭をもたげている。
各種団体や政府省庁の関係者らが、大げさな名目を掲げて、海外研修や海外視察に出かけているが、大部分が単なる観光に変質しており、外国製ブランド品目当ての遠征観光も盛んだ。
7月初め、全国個人タクシー連合会市道組合の理事長14人は「先進交通文化体験」の名目で10日間の外遊に出かけたが、旅先がタクシー文化の発達していないモンゴルとロシアだったことから、組合員のひんしゅくを買った。
また、一部政府省庁は、海外視察の名目で職員の「外遊」を、事実上黙認している。ある経済関連省庁は5月、業務関連の海外視察の名目で、3人の職員をヨーロッパに1週間程度出張させているが、単なる観光も同じだったというのが、内部の評価だった。
同省庁の関係者は「外国から事業を導入する場合、通常その国に「現場調査」に出かけることになるが、出発する前の時点で、すべての必要資料をファクスなどで受け取っているため、実際に現地に行っても観光をして帰るのが一般的だ。他の省庁も事情は同じだ」と耳打ちした。
放送各社の「海外ロケラッシュ」も、通貨危機以前の様相に立ち戻り、放送各社の朝の番組には、毎日のように南米、アフリカ、太平洋の小島といった、世界の風物紀行などが登場している。
ドル安を機に、外国の有名ブランド品を買うための、いわゆる「海外遠征ブランド品ショッピング」も急増している。
このほど、13日間のヨーロッパ旅行から帰ってきた、TCTG旅行社のガイド、ソン・ジェグさん(33)は「韓国人観光客が、安売り販売をしている英国ヒースロー空港の免税区域の「バリー」売場を買い漁るようにしたため、恥ずかしかった。ドル安に加え、ブランド品のバーゲンが重なり、韓国の「名品族」による海外遠征ショッピングが度を越している」と語った。
国内の免税店も、韓国人への売り上げの割合がうなぎ登りに上がり、新羅(シンラ)免税店の場合、7月1日から9日までの韓国人への売り上げの割合が、総売り上げの39%と、昨年同期の24%を大きく上回った。
こうした雰囲気を反映するかのように、7月19日〜8月11日の夏季シーズン中、仁川(インチョン)空港を利用する旅客は外国人も入れて、1日平均7万5500人と、合せて181万2000人に及ぶものと、仁川国際空港公社は展望している。
これは、97年末の通貨危機以降の最高であり、昨年同期の159万人より、14%も増えている。
一方、8月31日まで、海外旅行者に対する携帯品検査が強化される。関税庁は7月14日、酒、カメラなど高価なぜい沢品を、税関に届け出ないで搬入するのを防ぐため、夏休み中は携帯品検査を強化することにしたと発表した。
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