「夫が他の女性と性関係を結んだ事実を知った時は、仕返ししか考えていませんでした。息子の将来を考え、夫の逮捕の直後に告訴を取り下げて再び和解しようとしましたが、夫は私と目を合わせようともしませんでした。結局、私の家庭は崩壊してしまいました」。
崔(チェ、30、女性)某氏は、夫(33)が他の女性と関係を結んだという事実を知り、姦通罪で告訴した。だが「姦通罪に頼らず別の方法を考えていれば、私の家族の姿は、今とは全く違うものになっていただろう」と後悔している。
婚姻制度を維持し、家族生活を保障するという法の趣旨とは異なり、姦通罪制度が夫婦の和解さえも奪ってしまったのだ。
姦通罪は、個人の私生活に公権力が関与する代表的な装置だ。女性を保護するという名目も、女性の性開放の動きと相まって実効性を失っており、民事を刑事処理することに伴う公権力や社会費の浪費が大きく、廃止すべきだという指摘が多い。
国際的に見てもアラブ諸国を除けば、姦通罪がある国は韓国と台湾だけだ。
憲法裁判所は昨年10月、姦通罪憲法訴願で合憲の決定を出した。だが決定文で「姦通罪は、世界的に廃止する傾向にあり、私生活に法が介入することは不適切で、脅迫や慰謝料を受け取るための手段に悪用される場合が多く…姦通罪廃止の是非に対する真摯な接近が要求される」と明示し、法改正を要望した。
憲法裁判所の裁判官を歴任した金亮均(キム・ヤンキュン)弁護士は「姦通罪による処罰は、一時的な報復感情を満たすだけだ」とし「夫婦の和解の余地をなくすだけでなく、子供にも致命的な心の傷を与えるなど、本来とは逆の作用がより大きい」とし、廃止を主張した。(2002.8.20)
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