12月6日東亜日報は日本の渋谷系文化が韓国の若者の間で定着しつつあると、下記の記事を載せた。以下は転載文。
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会社員のキム・ヒョンウ(28)さんは最近「渋谷系音楽」に新たにはまっている。1年前には黒人音楽を主に聞いていた金さんは、友人とソウル清淡洞(チョンダムドン)のクラブHなどに行って渋谷系に親しむようになった。金さんは「このあいだまでクラブではヒップホップ音楽が主だったが、最近では渋谷系音楽さえ出れば、クラバーたちが歓呼しながら軽く体を動かす」とし「この頃はクラブだけでなくカフェやレストランでもこのような音楽をよく聞くことができる」と話した。
歌手ソン・シギョンの「私に来る道」、申昇勳(シン・スンフン)の「I believe」などのバラード音楽を主に作曲してきた作曲家キム・ヒョンソク(39)は最近、プロジェクトグループ「ポータブルグルブナイン」を結成した。既存のソフトなバラードから脱して渋谷系音楽を発表した彼は「面白い音楽で楽しく遊んでみたかった」と話した。
●新しい若い文化「渋谷系」… 江南(カンナム)圏のクラブ、カフェで人気
歌謡界に「渋谷系」ブームが起きている。2004年3人組みのプロジェクトグループ「クレジクァイ」のデビューを先頭に渋谷音楽は大衆に根づき、その後「ハミングアーバンステレオ」や「ケスコ」のような渋谷系音楽グループが登場した。3人組のヒップホップグループ「エピックハイ」の場合、ヒップホップと渋谷系の音楽を交ぜて作った曲「フライ」で最近、歌謡人気順位で1位を占めた。彼らの後続曲「パリス」はヒップホップデュオ「デュース」の前メンバー、イ・ヒョンドが作った渋谷系スタイルの曲だ。
渋谷系音楽は、ソウルの鴨鴎亭洞(アプクジョンドン)、清淡洞など江南圏のクラブやカフェなどを中心に広がりつつある。江南区新沙洞(シンサドン)にあるサンアレコード社に勤めるキム・ギョンスクさんは「2000年以降、渋谷音楽を求める人々が増えており、主に20代なかばから後半の女性たちがクラブで初めて音楽に接し、アルバムを買い求める場合が多い」と話した。
日本出身の渋谷系ミュージシャンも韓国で多くの人気を集めている。ヒップホップグループからスタートして、最近渋谷系の音楽スタイルを主にリリースしてきた男性デュオ「エムフロー」の場合、17日韓国公演の話が伝わると、2〜3週間でチケットが売り切れた。公演を企画したSMエンターテイメント側は「『エムフロー』の人気がこんなに高いとは思わなかった」とし「今も残りのチケットがないか問い合わせの電話が相次いでいる」と話した。
広告でも渋谷系音楽は人気だ。日本出身のプロジェクトグループ「ファンタスティック・プラスチック・マシン」の場合、携帯電話機、化粧品、DMBなどこの1年間およそ8本の広告に音楽が挿入された。
●「ちゃっかり屋」のような音楽に魅了… ファッションも渋谷スタイルに
渋谷系音楽の特徴として、△名品のような高級感△荒いロックやヒップホップと違いコントロールされた感じ△高級なメロディーと洗練美などが挙げられる。特に「渋谷系」クラブを訪れる人々はファッションも渋谷スタイルにする場合が多い。彼らは△おとなしいセミスーツのようなスタイル△ワックスやヘアジェルでこぎれいにオールバックしたヘアスタイル△肩を軽く動かすほどのカジュアルウェアなどを好んで、ヒップホップマニアたちとはルックスからはっきり区別される。
「クレジクァイ」のキム・ソンフンは「ビート(拍子)を割るか、効果音を入れるなどの編集で新しさを加えることが渋谷音楽の特徴」と話した。作曲家のキム・ヒョンソク氏は「既存のヒップホップやバラードの場合、4節ぐらいから繰り返しが多くて、次の進行を予測することができるが、渋谷系の場合は突出的な部分が多い」とし「そんな突発性が若者たちから好感を得ている」と話した。
しかし、渋谷の音楽が普遍的感性を生み出すには力不足との指摘もある。音楽評論家のイム・ジンモ氏は「渋谷系の音楽はマニア音楽で、まるで音楽を『所有する』といった感じ」と言い、「大衆的感性を生み出すにはまだ力不足」と語る。
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